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2015.08.13 Thursday

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    学校の前にかかげられたミェン族の移動の歴史

    2014.07.29 Tuesday

    ミェン族の村の学校で、子どもたちの刺繍の授業のお話をうかがい、
    学校を出たところで、入口の門の横に描かれた大きな絵に気がつきました。

    近づいて見てみると、そこには、中国南部からタイへたどり着くまで、
    移住を繰り返してきた、ミェン族の歴史が描かれていたのです。

    ミェン族の移動の歴史

    写真では、文字が見えづらいかとは思いますが、右の方から、中国の湖南省、
    広東省、広西省(現在の広西チワン族自治区)、雲南省という文字が、
    漢字とタイ語で書かれています。

    ミェン族の移動の歴史

    そして(下写真)、一部は、内モンゴル自治区から、山を越え、川を渡り、
    ラオスを辿り、この地、タイへやってきたというミェン族の移動の歴史が、
    あらわされていたのです。

    学校の入り口に、こうして掲げられていることに、少し驚き、
    ミェン族の人たちの自らの民族に対する想いの強さを感じました。

    子どもたちは、こうした民族の歴史を、学校で学んでいるのでしょう。

    ミェン族の移動の歴史

    タイ・ルー族の人たちも、中国南西部のシップソンパンナーからやってきたという
    民族の歴史を、織り布の文様の中に織り込んでいました。

    ▽タイ・ルー族の織り文様についてはこちら

    現在、タイ北部に居住している民族の中には、中国南部を民族発祥の地であり、
    民族の原点であると考えている民族が多くあります。

    今では、山岳民族の人たちも、タイ国籍(ID)を取得し、”タイ人”としての身分を
    保障されるようになってきましたが、その心の中には、やはり”タイ人”ではない、
    ”ミェン人”であるという誇りを、強く持っている人たちなのだということが、
    この絵に表れているのを感じました。

    織り人
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      ミェン族の村の学校の授業で

      2014.07.28 Monday

      いつもお世話になっているミェン族の村では、学校で子どもたちが、
      刺繍や民族伝統文化を学ぶ授業が設けられているとお聞きしたので、
      少し学校を見学させていただきました。

      残念ながら、学校はお休みの期間だったのですが、担当の先生が、
      子どもたちの作品を並べて、待っていてくくださいました。

      この学校には、幼稚園から中学校までで360人ほどで、ミェン族の子どもたち
      だけでなく、モン族、アカ族、ラフ族の子どもたちも通っているそうです。

      アカ族とラフ族の子どもたちは、それぞれ5〜6人ほどで、多くがミェン族と、
      モン族の出身だということです。

      ミェン族の村の学校

      こちらの先生は、ご自身も興味があるということから、子どもたちが、
      自分たちの民族文化を学ぶ機会をつくるために、授業の中で教え始めたそうです。

      今は、小学5・6年生と中学生の女の子が、”職業訓練”という意味合いだけでなく、
      地域の”文化継承”という目的をもって、週に4時間ほどの授業が設けられているそうです。

      家でお母さんから教わっている子もいるそうですが、その場合、同じ文様だけしか、
      できなかったりするため、学校ではいろいろな文様を教えるようにしているそうです。

      こうして出来上がったものは、学園祭のような場で販売したりしており、
      伝統技術の習得だけでなく、現金収入を得る手段としても、大きな意味を、
      持っているといいます。

      ミェン族の村の子どもたちの刺繍

      上の写真に写っているものは、すべてクロスステッチ刺繍のもので、下の写真の
      水色とピンクの生地のブックカバーの刺繍は、ミェン族の伝統的な刺繍技法の一つで、
      四角を繰り返して文様をつくっていく「格子刺し」と呼ばれる刺繍です。

      でも、「格子刺し」の刺繍は、クロスステッチ刺繍よりも難しく、
      村の年配の方たちの間でも、できる人が少なくなってきているほどです。

      ミェン族の村の子どもたちの刺繍

      クロスステッチの方が簡単できれいに仕上がるため、子どもたちが、
      初めて取り組むのには、やはりクロスステッチのようです。
      彼らのお母さまたち世代では、おそらく、クロスステッチしかできない方たちも、
      多いのではないかと思われます。

      ミェン族の村でも、若い人たちの間では、クロスステッチ刺繍の方が人気で、
      「格子刺し」や「織り刺し」のような昔からの刺繍は、何となく”古くさい”
      イメージなのだと思います。

      以前訪れたアカ族の村でもクロスステッチの刺繍をよくみかけました。

      今後、多くの民族の間では、クロスステッチ刺繍が主流になっていくのかもしれませんが、
      同じ刺繍やアップリケであっても、それぞれの民族伝統の技法には特徴があり、
      それぞれの味があり、そういうものが少しでも受け継がれ、どこかに取り入れられ、
      残っていくといいなぁと思っています。

      織り人
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        ミェン族の民族衣装のズボンの刺繍

        2014.07.26 Saturday

        ミェン族の村で、刺繍のバッグやポーチを作ってくださっている方を訪ねた時のこと。
        ちょうど、山奥のミェン族の村のおばさまが、自分で刺した刺繍の布を一枚、
        売りにやってきました。

        ここでは、近隣のミェン族の村の人たちが作った刺繍布を買い取りして、
        製品にしています。
        持ち込まれた刺繍布は、一枚いくらで、その場で現金で支払われます。

        同じ村の人たちだけでなく、”他よりも高値で買い取りしてくれるらしい…”
        という口コミで、遠く離れた村から持ってくる人たちもいるのだそうです。
        このおばさまも、知り合いのバイクの後ろに乗って、遠くの山から来たそうです。

        すてきな民族衣装と一緒に、お写真をお願いしました。

           ミェン族の刺繍

        こうした売り用の刺繍と自分たちの民族衣装の何年もかけた刺繍とでは、
        やはり大きな違いがあります。

        このおばさまがはいているズボンは、上から下まで、ぎっしりと、
        刺繍が施されています。
        先日ご紹介した伝統的な民族衣装のズボンの刺繍と同じものです。

        腰部分とすそ部分には、ミェン族伝統の「格子刺し」や「織り刺し」の技法を
        使った文様が施され、その間の部分は、クロスステッチでぎっしりと、
        下地が見えないほどに刺繍されています。

        織り人
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          ミェン族の刺繍文様の名前と意味

          2014.07.25 Friday

          ミェン族の村を訪ねた時、文様の意味などをよくご存じの方はいらっしゃらないか、
          と、うがったところ、一軒のお宅に、案内していただきました。

          汚れないよう、布でしっかりとくるんだ刺繍を見せてくださいました。

          ミェン族の刺繍

          文様の意味を尋ねると、”意味はわからないねぇ…”と言われることも多いのですが、
          こちらのおばさまは、とてもよくご存じで、それぞれの文様の意味を教えてくださいました。

          ミェン族の刺繍

          これは、民族衣装のズボンの上部にくる刺繍で、写真の一番右の文様は、
          結婚式の時に胸に飾る銀のブローチをモチーフにしているとか。

          その他にも、「薪の束」であったり、「熊手」や「蟹」だったり…。

          それぞれの模様には、意味もそうですが、ミェン族の言葉で名前がついています。
          おばさまは、文様の意味の他にも、それぞれの文様の名前もよくご存じでした。

          意味はわからない文様でも、それぞれの名前は決まっているようでした。

          ミェン族の刺繍

          下の写真は、民族衣装のズボンの一番下のすそ部分の刺繍。
          「チョムセー」と呼んでいました。

          5つのラインのうち、1、3、5列目の刺繍は、布の経糸(たていと)、
          または、緯糸(よこいと)のどちらかに、平行に刺していくため、
          織り文様のようにみえる「織り刺し」という技法です。

          これは、とても難しく、この刺繍ができる人は、村でもほとんど、
          いなくなってしまったそうです。

          そして、昔は、位の高い人がのみが身につけることができた
          刺繍だったそうです。

          ミェン族の刺繍

          どの民族の村でも、”この文様の意味は何か?”ということを、いつも、
          聞いてまわっていますが、ほとんどは意味まではわかわないことが多いです。

          また、人により答えが異なったり、”たぶん…”というあいまいな答えも多かったり…。
          はっきりと、本来の意味をたどるのは、今後、さらに難しくなっていくことと思います。

          今回は、じっくりとお聞きする時間がとれなかったのですが、まだ、少し詳しい方たちが、
          ご健在のうちに、きちんと残しておけたらいいなぁと思っています。

          織り人
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            ミェン族の伝統的な刺繍文様

            2014.07.24 Thursday

            今年のタイ訪問で、ミェン族の村を訪れた時のこと。

            椅子に腰かけることもなく、刺繍をしているおばさまお二人に、
            様子を見せていただきました。

            ミェン族の人たちも、若い人たちを中心に、ばってん(×)模様を繰り返す
            クロスステッチ刺繍が主流になってきていますが、村の年配のおばさま方は、
            まだまだ伝統的な技法の刺繍を刺すことができます。

            ミェン族の刺繍

            刺繍していたのは、ミェン族の民族衣装のズボンの上部(腰)部分の刺繍です。

            タイのミェン族のズボンの刺繍は、3つのパターンに分かれています。

            腰に近い上部とすそ部分には、伝統的な技法である「格子刺し」と、
            「織り刺し」によって、この写真のような文様が刺繍されます。
            その間の大部分は、細かいクロスステッチ刺繍で埋め尽くされます。

            ▽ミェン族の刺繍についてはこちら

            ミェン族の刺繍

            最近では、おばさまたちでも、それぞれの文様の意味をはっきりとわかる人は、
            少なくなってきており、聞く人聞く人で、それぞれ異なる答えが返ってきます。

            民族衣装には、必ず刺繍されるこのギザギザ模様は、「山」であったり、
            「のこぎり」であったり…。
            その隣りの文様は、「花」であったり、「猫」であったり、「薪の束」であったり…。

            もともとの文様の本当の意味をたどるのは、難しくなってきているようです。

            ミェン族の刺繍

            この文様と技法、そして刺繍の色合いは、タイのミェン族の人たちの、
            特徴的なものです。

            刺繍している間に汚れないよう、刺繍が終わった部分には布を縫い付けて、
            大事に、大事に、仕上げていきます。

            織り人
            0

              「ミェン族」と「モン族」との間での注文のやり取り

              2014.05.31 Saturday

              このピンクの布は、隣り村の「モン族」の人たちからのご注文なのだそうです。

              立ち寄ったこの「ミェン族」の村のすぐ近くには、「モン族」の人たちの村があり、
              その村の人たちから、この「ミェン族」の伝統的な刺繍の入ったピンクの布の注文が、
              時々あるのだそうです。

              そうした注文分以外にも、「モン族」の人たちが買いに来た時のために、
              また、自分たちで「モン族」の村まで売りに行ったりすることもあるそうで、
              そうした時のために、多めに何枚か作っておくのだそうです。

              確かに、前回のタイ訪問の時も、「モン族」の人たちがこの布を
              つかっているところを、よく見かけましたし、「モン族」の人自身が、
              同じピンクの布に、「ミェン族」の文様を刺繍していることもありました。

              ミェン族の村で

              この「ミェン族」の村では、新年やお祭りなどの時は、
              隣りの「モン族」の村の人たちと一緒に、お祝いをするのだそうです。

              周辺の他の村では、「ミェン族」の人たちと「モン族」の人たちとが、
              一緒に一つの村をつくっているところもあるそうです。
              そうした村の子どもたちは、同じ学校へ通い、「ミェン族」の言葉も、
              「モン族」の言葉も、もちろん、上手に話すのだそうです。

              ミェン族の村で

              あるラフ族の村では、リス族の人からバッグの注文を受けている話を聞きましたが、
              ”日本人的”な感覚からすると、この”民族間のやり取り”というのは、なんとなく、
              不思議な感覚といいますか、何か特別なことのように感じてしまうところがあります。

              でも、よくよく考えれば、これは、とても自然なことであり、特に、
              多くの国と国境を接し、さまざまな人たちを受け入れてきたタイにとっては、
              長い歴史を経て、至極”普通”の現象なのだと思うのです。

              ミェン族の村で

              こうしたことを”おもしろい”と思う感覚こそが、あまりにも、
              ”日本人的”すぎるのかもしれません。

              でも、こうした”民族間のやり取り”の現状を知ることで、
              ”民族”とは、”伝統”とは何なのか…、
              ”民族”として守り、世代を超えて今に受け継がれてきた”伝統的な伝統”と、
              他の民族の伝統と融合し合いながら、新たに作り上げられた”新しい伝統”
              との違いは何なのか…。

              そうしたことを、明らかにしていけるのではないかと思うのです。
              そうしたことを知ることは、やっぱり”おもしろい”なぁと思うのです。

              織り人
              0

                ミェン族の人たちのピンクの布の使い方

                2014.05.30 Friday

                昨日ご紹介した、ミェン族の人たちが、ミェン族の伝統的なモチーフを、
                伝統的な技法で刺繍していたピンクの細長い布
                は、この写真の中の写真
                に写っているように使うものだそうです。

                これは、最近おこなわれたミェン族のお祭り(イベント)の時の様子を、
                撮影したものだそうです。

                ミェン族の刺繍

                男性も女性も、肩から斜めにかけているのが、このピンクの布です。

                写真手前の男性と女性の様子をご覧いただけるかと思いますが、
                写真に写っている全員が、同じように肩からピンクの布をかけています。

                でも、昨日ご紹介したミェン族の女性たちが刺繍していたピンクの布は、
                同じピンクの布でも、自分たちで使うものではなく、そして、
                肩にかけて使うものでもないのだそうです。

                織り人
                0

                  ミェン族の人たちの伝統的文様と刺繍技法

                  2014.05.29 Thursday

                  ルー族の村から、次に向かったのは、ミェン族の村。

                  いつも『織り人』の刺繍をお願いしているミェン族の村ではないのですが、
                  訪問予定のモン族の村へ向かう途中に、ミェン族の村があるということで、
                  ちょっと立ち寄ってもらうことにしました。

                  村に到着し、少し村の中を歩いていると、すぐに、家の軒先で、
                  何人かの女性たちが集まって、刺繍をしているところに出会いました。

                  ミェン族の村で

                  刺繍している文様は、ミェン族伝統文様です。
                  もともとミェン族の人たちの伝統的な刺繍技法としては、
                  「織り刺し」や「格子刺し」と呼ばれるものが主流で、
                  それはクロスステッチ刺繍とは、異なる技法です。
                  ミェン族の伝統的な刺繍文様について

                  でも最近は、ミェン族の人たちは、伝統的な刺繍よりも、
                  細かなクロスステッチ刺繍を好むようになってきました。

                  この傾向は、ミェン族の人たちの間だけでなく、アカ族の人たちの間でも、
                  クロスステッチが、一般的な刺繍になってきているようです。
                  「異なる民族間で広まるクロスステッチ刺繍」について

                  ミェン族の村で

                  伝統的な技法や文様よりも、下地を埋め尽くすように、ぎっしりと刺繍する
                  クロスステッチの方が、豪華できれいだということで、ミェン族の若い人たちの間では、
                  クロスステッチ刺繍が好まれているようです。

                  でも、この日、見せていただいたのは、ピンクの細長い生地の両端に、
                  ミェン族伝統の文様である「猫」や「折れた樹」、「蜘蛛」などをモチーフにした、
                  ミェン族伝統の「格子刺し」技法の刺繍をしているところでした。

                  ミェン族の村の刺繍の風景

                  この日刺繍していたピンクのこの布は、自分たちが使うためのものではなく、
                  ”人”から頼まれて、刺繍しているのだそうです。

                  この布については、まだまだ面白い話がたくさんありますので、
                  また後日、ご紹介していきます。

                  織り人
                  0

                    ミェン族の伝統的な刺繍文様

                    2012.12.14 Friday

                    今日は、ミェン族の歴史や刺繍についてのページをつくりました。
                    その中で、ミェン族の伝統的な文様を紹介しています。

                    ミェン族の刺繍には、いくつかの刺し方があり、
                    主に「織り刺し」「格子刺し」「交差刺し」の3種類があります。

                    タイ北部ミェン族の刺繍

                    タイ北部ミェン族の刺繍


                    織り刺しは、布の経糸(たていと)または緯糸(よこいと)
                    どちらかに平行に刺していくため、織り文様のようにみえます。

                    格子刺しは、経糸と緯糸の両方を平行に刺し、小さな四角形の囲みを作り、
                    その四角を繰り返し、格子模様をつくっていきます。

                    交差刺しは、いわゆる「クロスステッチ」のことで、
                    小さな「×」印を繰り返しながら、模様をつくっていきます。

                    上の写真2枚の文様は、どちらも「猫」をモチーフにしたものです。

                    *ここで紹介している写真は、すべて「格子刺し」の刺繍です。

                    タイ北部ミェン族の刺繍


                    上の写真の茶色とオレンジの4つの刺繍は、「折れた樹」を意味し、ミェン族の刺繍の中で頻繁に使われ、
                    ズボンの裾部分には必ず使われる文様です。
                    そして、真ん中の緑色の刺繍は「猫の爪」をあらわしています。

                    タイ北部ミェン族の刺繍


                    上の写真は、「猫」と「折れた樹」の刺繍の組み合わせで、
                    この2つの文様は、ミェン族の民族衣装の中によく見かける文様です。

                    タイ北部ミェン族の刺繍


                    上の写真のピンクの4つの文様は「大きな蜘蛛」、
                    真ん中の黄色の刺繍は「小さな猫」をあらわしています。

                    下の写真の4つの先端の白い刺繍は「小さな蜘蛛」、
                    真ん中の黄緑色の刺繍は「渦巻き」をあらわしています。

                    タイ北部ミェン族の刺繍


                    このようなモチーフをライン状に刺したり、
                    それぞれを組み合わせたりすることで、
                    ひとつの模様をつくっていきます。

                    刺繍の解説の他にも、ミェン族の歴史なども併せてまとめてみました。
                    ご興味のある方は、続きをミェン族の伝統文化と刺繍でご覧ください。

                    織り人

                    【参考文献】ヤオ族の刺繍−文様に込められた祈りと移住の物語(坂口里香氏訳)



                    アジアのフェアトレード雑貨OnlineShop「織り人(Orijin)」

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                      ミエン族の歴史と文様

                      2012.08.06 Monday

                      「織り人」では、アジア(主にタイ)のモン族やミェン族の刺繍商品をたくさんご紹介しています。

                      ミェン族の刺繍ポシェットは、斬新な幾何学模様から花模様など、
                      さまざまな文様が全面にほどこされたかわいらしいポシェットです。

                      ミェン刺繍のマチ付きポシェット_織り人



                      この文様の中にある矢印の十字は「天秤ばかり」をモチーフにしたもので、
                      そのまわりを囲っているのは「虎の爪」をあらわしているそうです。
                      しかしながら、現在ではそうした文様の由来を、正確にわかっている人は少なくなり、
                      「昔から刺しているから…」「きれいだから…」という人も多くなっているようです。

                      ミェン族のクロスステッチ刺繍_織り人


                      モン族の刺繍の文様の中に、ミェン族の文様が取り入れられていることがあります。
                      そしてその逆に、ミェンの人たちがモンの文様を自分たちの民族衣装などに取り入れている場合もあります。

                      「織り人」の刺繍をお願いしているモンの村で、ミェンの刺繍を刺しているところを見かけた時に、
                      それは、つい最近の傾向なのだと思っていました。
                      しかしながら、インドシナ戦争の際、モン族の人たちと同様に、ミェンの人たちも自分たちの村を
                      去らざるを得なくなり、タイの難民キャンプへ辿り着くまでの間、そして、難民キャンプ内で、
                      はじめて他の地域のミェンの人たちや、モン族など他の民族の人たちと出会い、
                      異なる地域、異なる民族の文様を知ることになっていったようです。

                      そして、これまでの生活よりも、難民キャンプの生活では、刺繍に費やす時間があり、
                      そのことにより、民族間での文様の融合が進み、伝統的な柄や色合いだけでなく、
                      刺繍もより手の込んだ、より豪華なものになっていったようです。

                      そして、第三国定住などでヨーロッパやアメリカなど、自国でも、タイでもなく、
                      第三国へ定住した親戚、家族のために、その刺繍布や民族衣装を送るようになり、
                      民族刺繍の美しさが、外国で認められるようになっていったのです。
                      自国を追われ、難民キャンプでの生活が、今の民族刺繍の基礎をつくりあげ、
                      広めていったというのは皮肉なことです。

                      ヤオ族の刺しゅう 坂口里香訳


                      モン族の歴史的な背景について書かれた本は時々ありますが、
                      ミェン族(ヤオ族)について書かれたものはあまりなく、
                      この「ヤオ族の刺繍−文様に込められた祈りと移住の物語(坂口里香訳)」は、
                      ミェン族の刺繍文様を中心に、その歴史的背景にも触れていて、
                      モン族と同じような運命を辿ってきたミェンの人たちのことを知ることができます。

                      織り人

                      【参考文献】ヤオ族の刺しゅう−文様に込められた祈りと移住の物語 Ann Yarwood Goldman著 坂口里香訳
                      【参考HP】アジアの籠と布Lom-Sam-Nuea




                      アジアのフェアトレード雑貨OnlineShop「織り人(Orijin)」

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