スポンサーサイト

2015.08.13 Thursday

一定期間更新がないため広告を表示しています

0

    「ディアスポラの民モン−時空を超える絆」

    2014.10.27 Monday

    最近、本のご紹介ばかりになっていますが…、本日も一冊。

    ディアスポラの民モン‐時空を超える絆」というモン族に関する本。
    昨年、発行されていた本で、ずっと気になっていた本です。

    ラオスのモン族の一派は、ベトナム戦争時にアメリカCIAに雇われ、
    共産主義勢力と戦い、戦争終結後、共産政権の報復を逃れ、
    タイの難民キャンプへたどり着きました。
    そしてその後、多くのモン族が、アメリカやフランスなど、
    第三国へ渡りました。

    2009年時点の推定で、アメリカに20万〜25万人、フランスに1万5千人〜2万人、
    その他、オーストラリアやカナダ、ドイツ、アルゼンチンなど、世界規模に
    広がっています。

    祖国を持たないモン族が、新しい土地で、どのように”モン”という
    アイデンティティを保ちながら、モンコミュニティを維持してきたのか、
    モンの人たちが一番大切にしている家族や親族との絆、そして、
    ”モンであること(Being Hmong)”、”モンらしさ(Hmongness)”
    へのこだわりなどを、第三国定住として、アメリカ、フランス、そして、
    オーストラリアへ渡ったモン社会での事例を挙げ、まとめられています。

    ディアスポラの民モン 時空を超える絆

    表紙を開くと、モン族の生活のワンシーンやモン族の移動の歴史を刺繍した
    「ストーリークロス」の写真でした。

    「ストーリークロス」については、こちらの織り人ブログ記事へ。

    この本の中では、「フラワー・クロス」と「ストーリー・クロス」が、
    世界中に散らばったモン族の人たちに、”モンであること”、”モンらしさ”
    を共有させる役割を担っているとしています。

    *「フラワー・クロス」とは、『織り人』では「リバースアップリケ」、
     「ストーリー・クロス」とは、「ライフシーン刺繍」と呼んでいるものです。

    どちらも、モン族の人たちが得意とするアップリケや刺繍の技法をいかして、
    タイの難民キャンプ内での生活の中で生まれたものです。

    ディアスポラの民モン 時空を超える絆

    難民キャンプでの限られた環境の中、女性は得意な手仕事で収入を得ることが
    できるようになり、畑仕事や狩猟などができなくなってしまった男性は、
    えんぴつを使ったことのない女性に代わって、刺繍の下絵を描くようになり、
    製作は、男女で分業しておこなうようになっていったといいます。

    確かに、『織り人』で「ストーリー・クロス」をお願いしているところでも、
    下絵は、他の村の下絵を専門に描いている男性から購入していると言っていました。

    これらは、第三国定住がはじまると、アメリカやフランスの親族へ送られ販売され、
    タイに残るモン族と第三国のモン族との経済的なつながりとなり、”モンであること”
    を改めて再認識する役目ともなり、より強い絆が作り上げられているといいます。

    これは、現在タイの難民キャンプのカレン族の人たちの間でも同じことが起こっており、
    難民キャンプ内、または、その周辺のカレン族の村の多くでは、織られた布は、
    第三国の家族や親戚へ送られています。

    日本語での文献は少ないですが、第三国へ渡ったモン族についての調査は、
    欧米諸国では盛んに行われるようになってきています。
    また、第三国で生まれ育った2世、3世の若者たちが、自分たちの言葉で語り、
    自分たちの考えで行動し始めています。

    モン文化の中で生きてきた親世代と、モンでありながら全く異なる文化の中で
    生きている子ども世代との間で、”モンであること”の捉え方が、大きく変化して
    きていることを感じました。

    織り人

    参考書籍:「ディアスポラの民モン 時空を超える絆」吉川太惠子著 めこん
    0

      スポンサーサイト

      2015.08.13 Thursday

      0
        コメント
        コメントする