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2015.08.13 Thursday

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    モン族の歴史を綴る物語「メコンに死す」

    2014.11.01 Saturday

    私自身が、モン族のことにのめりこむようになった1冊「メコンに死す」。
    原題は、「Chao Fa(チャオ・ファー:空の民)」。

    もともと、モン族の染め織りや刺繍などには関心を持っていたのですが、
    モン族の人たちの”移住の歴史”を知らないでは、何もわからない、
    モン族だけでなく、それぞれの民族の背景をより知りたいと思うように
    なったきっかけの一冊です。

    本書の冒頭には、”これは、ラオスにすむモン族にまつわる物語であるが、
    登場人物、日時、場所および出来事は、すべて作者の想像の産物である。

    もし、登場人物の名前が、生死を問わず現実の人間と合致したところが
    あったとしても、あるいはまた、出来事が実際にあったことと同じであって、
    それはまったく偶然によるものである”

    と書かれています。
    しかし、内容は史実に基づくもので、ラオスのモン族が、ベトナム戦争当時、
    アメリカCIA側と共産国側、左派と右派とに分かれ、同じモン族でありながら、
    戦うことになってしまった歴史が、一人のモン族の少年の目を通して、
    時間の流れに沿って、実在する人物とともに描かれています。

    作家山崎豊子氏のような”事実に基づいて再構築されたフィクション”
    小説として、チェンマイ出身のタイ人作家によって描かれた物語です。

    メコンに死す

    当時、モン族については、”単に戦い上手な山岳民族”、アメリカの傭兵程度の認識で、
    戦況を伝えるニュースの中では、ほんの小さなニュースであったといいます。

    そんな中、モン族の目から見た戦争の”背景”、そのために亡くなっていった
    多くの”個人の小さな人生”を綴った本書は、国内外で高い評価を受けました。

    今年のタイ訪問の際に、北部のあるモン族の村で、どうしてこの村へやって
    くることになったのかという話を、少しお聞きする機会がありました。

    私にとっては、本で読んだような歴史上の出来事が、実際にその村で起こっていて、
    今も、その歴史の中に生きているのだということを知り、その村の一人ひとりに、
    その歴史の中で生きてきた”小さな生活”があるのだということに、今さらながら
    衝撃を受け、自分の中で、急激に身近なものになっていきました。

    その村で作られている刺繍やアップリケの布は、そういうモン族の長い歴史から続き、
    個人の今の生活の中で生きているもので、それは、すごいことだと思うのです。

    様々な厳しい状況の中でも、その当時の一人ひとりがつなぎ、今に伝えている
    人の営み、手仕事があるということ、その中で何かよいものを作り伝えたいと
    考えている”個人の想い”を、しっかりと形にして伝えていけたらいいなぁと
    思っています。

    織り人


    参考図書:「メコンの死す」 ピリヤ・パナースワン著
          桜田郁夫訳 めこん 1987年発行
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