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2015.08.13 Thursday

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    「国境に分断されている山地民」にみる民族文化のこれから

    2014.12.09 Tuesday

    今日ご紹介するのは、中国と国境を接する東南アジアの国々
    ベトナム・ラオス・タイ・ミャンマーの山岳地に生活している
    数多くの民族を紹介している「国境に分断されている山地民
    という写真集。

    「身体装飾の現在」シリーズということで、それぞれの民族の民族衣装や、
    装飾品を中心に撮影されています。

    国境に分断されている山地民

    中国雲南省のヤオ族(タイではミェン族)の細かな刺繍で埋め尽くされた
    民族衣装のズボンや頭に飾る装飾品(写真下)。

    ▽ミェン族の人たちの刺繍の技術や文様については、
     織り人ブログのミェン族についてをご覧ください。

    国境に分断されている山地民

    ラオスのモン族の人たちの襟やベルト、頭飾りなど(写真下)。

    ▽両端に刺繍が施されたピンクのベルトについては、
     以前、織り人ブログでご紹介しました。
     「モン族」についてをご参照ください。

    国境に分断されている山地民

    ラオスとミャンマー国境に接するタイ北部のアカ族の人たちの帽子(兜)。

    ▽タイ北部のアカ族の人たちの帽子(兜)については、
    『織り人』ブログのアカ族についての中でまとめています。

    国境に分断されている山地民

    2010年に出版されたこの本の写真の中には、観光で生計を立てている
    観光村で撮影されたものや、正月や結婚式、村での行事などの際に、
    その日だけ、民族衣装を着ているところを撮影したものも多く見られます。

    著者は、何年も前から同地域をまわり、撮影を続けているようですが、
    その間に、お歯黒や体の入れ墨などの風習は、ほとんど見られなく
    なってきているといいます。

    民族衣装についても、機械で刺繍された刺繍リボンを
    縫い合わせて作っていたり、刺繍やアップリケしたものを
    写真製版でプリントした化繊の生地でスカートを作っていたり。

    異なる民族間での結婚も進み、どちらの民族衣装を身につけるのか、
    自らのアイデンティティをあらわす手段が変化していき、
    民族衣装を着続ける意味自体が薄れてきていると。

    こうして書くと、そうした現象を嘆いてるかのようになりますが、
    大抵は、そうした過程を経てきた人たちが、こうした変化を嘆くのであって、
    でもこれは、経済発展と共に、遅かれ早かれ、起こることであって、
    この写真集で取り上げられたような地域でも、普段着の民族衣装を
    見ることはむずかしくなっていくことでしょう。

    それは、晴れ着として特別の日にだけ着るものとして残り、その他は、
    博物館のガラスケースの中でだけ見ることができるものになるのでしょう。

    でもそれは必然の流れであって、誰にも止められないものです。
    だからこそ、その流れの真っただ中にあるタイの中で、
    それぞれの民族文化が、どういう形で残っていくのか、
    残していくべきなのか、タイ国内外の人たちが、
    考え始めているのだと思います。

    『織り人』も、その中の一人として、何かよい形を作っていけたら、
    そう思っています。

    織り人

    出典:「国境に分断されている山地民 中国・ベトナム・ラオス・タイ・ミャンマー」
       井上耕一著(写真・文) 朝倉書店
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